21歳になりました。

 2019年になった。今年の冬は暖冬ですよ~と言っていた気象予報士のことは二度と信用しないこととした。俺の自律神経を弄ぶのがそんなに楽しいか? テレビの中でにこやかに嘘をつく女性気象予報士に向かって愚痴を垂れる。テレビが変色しそうなほど寒いが、醜い俺は醜いままだ。

 異常な寒さなので「夏」のイメージがあるサザンオールスターズを延々と流しているが、圧倒的な「陽」の雰囲気の前に立ち尽くしています。サザンに殺される。桑田佳祐のあのどんなに場が盛り上がってても一切笑ってない眼に殺される。前門のサザン、後門の井上陽水かよ。あ、あと原由子ってかわいい声してるよね。

 ところで、1月3日は俺の誕生日だった。ほしいものリストから送ってくれた皆様、ありがとうございました。親からの誕生日プレゼントを期待していたのに、くれたのはハイライト一箱。ひどすぎる。俺は一人息子なのに。血の繋がった唯一の家族なのに。親がどんどん冷たくなっているような気がする。というか社会がずいぶん冷たい。

 まあ冷たく感じるのはこの季節のせいという感じもする。なんと今日からセンター試験らしい。受験シーズン到来というわけだが年中シーズンインザ無職の俺としては勘弁してほしいね。テレビのCMとかで流れるでしょ、受験生頑張れ的なCM。あれって何の意味があるんだよ。頑張ってる受験生、この時期テレビ見てないだろ。俺の心だけがガリガリと削られていく。あと居間で食事しているときにあの手のCMが流れると茶の間がお通夜みたいな雰囲気になるのでやめてほしい。

 大学受験で羽生結弦並の滑りっぷりを見せてそのまま無職になった俺の存在をこの社会が許容してない、という感じがする。まあお先真っ暗の発達障害デブの存在を社会が許容するはずもないし、そもそも俺が俺自身をあんまり許容出来てない。こんなはずじゃなかったのに……。でも、そう思っているのは俺だけみたいで、両親が最近そんなに俺に対して期待していない、ということが伝わってきて辛くなってきた。両親にすら見捨てられたら、一体どこでどうやって自尊心を補完すればいいんだ?

 思えば誰かの期待を裏切ってばかりの人生だった気がする。何も果たせてない人生な気がする。いや、実際何も果たしてないから高卒で無職なんだけど。自分自身の期待にも裏切っている。

 というわけで、年を越してから基本的にブルーな毎日を送っています。ブルークリスマスならぬブルーお正月。友人と遊んでいるときはそれなりに人生の煩わしさから解放されていたりもしたのだが、その友人たちは今年から就活らしく、会話の中にも就活関連の単語が交じるようになってきた。そしてそのたびに、「無職のお前はどうするの?」と、問いかけられている気がする(というか実際に問いかけられるときもある)。

 どうもしねえよ、と答えるほかなく、だって実際にどうもしない、というかどうしようもないのだから仕方ない。彼らの時間は進んでいるが、俺の時間は三年前から止まったままだ。これから動き出すのかどうかも分からない。どうせ動き出しても逆ウラシマ効果みたいになるのが見え見えなので、動かす勇気もない。

 そうして、自分の人生について「どうしようもねえな~」と絶望のぬるま湯にどっぷりと浸かっている。無駄に流れていくこの時間の使い方が一番どうしようもないことには気がついているが、肝心の体が動かない。ぬるま湯から立ち上がろうとしない。

 それにしても、冬は寒い。