五月の朝は意外と寒い

 皆さんもお気付きのように5月に入り大型連休も終わった頃になってくると、午前4時過ぎにはすでに窓の外は青くなっていて、「え、俺の部屋のカーテンが青いだけだよな?」と思ってカーテンを全開にして自分の顔も青くなるわけで、毎年この時期には驚かされることしかない。

 睡眠薬飲んでも眠れないし謎の体調不良にはかかるしで生活リズムが壊滅的になっていた俺はツイッターを見て唐突に将来が不安になり、ワイパックスをゴリゴリと飲んで曖昧になっていたら体調不良が治っていて、よっしゃーと思いながら朝8時ごろに眠りについた。多分見てたけいおん!!とかスペース☆ダンディとかのお陰だと思う。

 そしたら起きた時間でビックリ、もう夕方の4時。空、青いどころか若干オレンジがかって見えたのは俺だけでしょうか? ふっと携帯を見てみたら悪いオタクの知り合いから新宿で飲まないか、という誘いのメール。おごりって書いていたし、家にいても暇だし、風邪治ってたんで、レッツゴー。山手線の中で俺の周りは全部女。痴漢冤罪チャレンジかよ。電車でGO!ならぬ留置所へGO!の危機を乗り越えて、降り立ったワケ。新宿駅の西口に。

 ラインで新宿駅に着いた旨の報告をすると、帰ってきたのは「東口に店を変えた」オイオイオイオイ!!!!!! そりゃないだろ!!!!!!!!!! ただでさえ西口でも迷ってるのにどうやってこっから東口に行くんだよ!!!!!!!!!!!!!

 半泣きになりながら新宿駅をさまようキモいデブオタクの俺。結局ヨドバシカメラの前に立って迎えに来てもらうことにした。悪いオタクから「お前が持ってるスマホはなんのためにあるんだよ」「新宿駅で迷う人間、都民を名乗っちゃだめだろ」「たとえ西口のままでもお前は絶対目的地にたどり着けてない」と散々なことを言われたんですが、悪いのは西口って言ってたのを急遽東口に変えたこいつだよな? あと新宿駅を利用する人間はその駅の特性上田舎者が多いので、純粋培養都民ほど新宿駅には詳しくなく(俺は引きこもりだぞ)、田舎者ほど新宿駅に詳しい現象が起こっている。あと、俺は新宿東口には詳しい。マジで。

 で、どうにかこうにか居酒屋に落ち着いて酒を飲む。久しぶりに会うフォロワーなんかもいたりした。もうそりゃ最初からテンションの高かった俺はただでさえ強くない酒をガバガバ飲んでいくのだ。酔うと記憶がなくなるって言うけどあれ嘘ね。俺の醜態は全部バッチリ俺が覚えているのである。なんか桑田佳祐のものまねとかしてた(似てない)し。「カラオケ行きたいっすね~」とか言って疲れている人間たちをカラオケに付き合わせてしまった。あと俺は酔うとどうも言葉が出てこなくなるときもあるみたいで、母親に電話するとき「朝帰り」と言おうとしても「朝」が分からなくなって、隣りにいたオタクに「夜の次って何?」と聞いたりしていた。今ならはっきり言えるけど夜の次は恐らく地獄です。

 俺はオールナイトだと思っていたカラオケが1時間で終わり、井上陽水の「帰れない二人」を熱唱していたら、マジで電車がなくなって帰れなくなっちゃった。落語みたいな話やね(本当か?)。さてここに厭世詩家というフォロワーがいて、お互い世話になったりしたりしている持ちつ持たれつな関係なわけだが、そいつは大江戸線沿線に住んでいるのだ。大江戸線って新宿通ってるんだね、俺はつい最近まで知らずにいた。

 で、探すわ探すわ大江戸線の駅を。フォロワーと一緒に。歩く歩く夜の新宿。「あ、見つけた!」と思って見てみたらシャッターが閉まったりしていて、俺はその時マジで膝から崩れ落ちそうになったが、またもや歩き続けて、ようやく大江戸線の出口を見つけた。道中いろいろあった……新宿西口駅新宿駅と何が違うんだよそれはもう)とか……新宿3丁目駅とか……。大江戸線に揺られながら思うことは唯一つ。なあ、なんでお前らJR新宿駅とまとまろうとしないの? 協調性見せろよ。同じ電車だろ。

 で、厭世の家がある駅に降り立った俺は、気を利かせてコンビニで差し入れを買ってから家に向かったワケ。ところで書くのを忘れていたが厭世は最近彼女が出来たらしく、一つ屋根の下生活を送りつつあるらしいよ。知らんけど。というわけで今から向かう厭世の家には彼の彼女もいるというのだ。いや、厭世しろよ。

 そういえば、俺には他人の恋路を応援する趣味は特になく、思い返せば常に邪魔をしてきた気がする。「人格王」を自称しながら、やっぱ心の底では他人の恋が終わることを至上の楽しみとしていたのかな……。ならばもう、思い残すことはなにもない! ラブ・クラッシャー田中アハ太郎。尋常に参る! 任せろ、今の俺は酒で気がデカくなっている! 件の彼女氏も俺の知らぬ人間ではない!

 結論から言うと、返り討ちにされた。

 厭世の家に転がり込んできた俺は、そこで件の彼女氏がもうすでに厭世の服に着替えていることを知る。怪しいな、と心のどこかで思いながらでも敵にするには十分よ、ガハハと言いながら酒を飲みまた気をデカく持ち直した。その後ニンテンドー64マリオテニスをプレイした。3人で。このゲーム3人でプレイできるのね……。当然チーム分けは厭世カップル(厭世しろよ)と俺とCOMというもの。これさ、鋼の精神を持つ俺だからいいけどさ、ちびっこ達がやられたら心に大きなトラウマを残し、下手すりゃ友情にヒビが入ると思うよ。任天堂、もっと考えようよ。

 完全にキレた俺は酒で世界が曖昧になってもマリオテニスの腕だけは本物だった。蹂躙という言葉が多分あのときは世界で一番似合ってるに違いないほどカップルをボコボコにしてやった。勝ち誇った顔をしていると、なんか、カップルの絡みが増え、唐突にイチャイチャし始めていた!!!!!!!!!!!!! 俺がマリオテニスでボコボコにすればするほどカップルが仲を深めていく……タモリさん、これって反比例のグラフになりませんか?

 慌ててマリオテニスを中断し、アマゾンプライムでアニメを見ることにした。そして俺はここでも一つ致命的なミスをしてしまった。エウレカセブンを見てしまったのだ!!!!!!!!! しかも死ぬほど感動的な26話モーニング・グローリーを!!!!!!!!!!! ダメじゃん!!!!!!! いつの時代も致命的なミスを犯したと気付いたときにはあらゆることが急速に終わってゆくもので、俺は呆然としながらエウレカレントンが抱き合う姿を見ていた。あと視界の端でイチャつくカップルも。

 その後、厭世に「彼女も眠そうだし、俺も寝るから向こうの部屋行ってろ」と言われ、俺は今日の出来事を必ずブログに書いてやると決心したのだ。書くことが俺のあいつらへの唯一の逆襲になるのです。ミュウツーも多分そんなことを言っていたんだと思う。ほとんど泣きながらブログの文章を考えていたら、窓の外が青くなっている。そう、もう時間は4時を通り過ぎて5時にほど近くなっていた。「帰るか……」多分、あのとき世界で一番敗走という言葉が似合っていたのは俺に違いない。厭世からさよならするついでにせかいにさよならしたい気分にもなっていた。

 身支度を整えて自室で眠っているだろう一応、滞在させてくれた礼儀として厭世に「俺帰るよ~」と言うと意外な言葉が返ってきた。「ダメダメダメダメ」えっ? と思ってもう一回聞くと「え? 部屋に入るよじゃないの? 違う違う帰るの? あ、そう、そうか~」聡明な読者諸君ならここで何かを察しているはずです。

 部屋から出てきたのはパンツ一丁の厭世詩家だった!!!!!!!!!!! いい雰囲気なっちゃってんじゃん!!!!!!!!!!!! 寝てないじゃん!!!!!!!!! 逆じゃん!!!!!!!!!!!!!!!!

 そうか、俺がカップルのいい雰囲気を作り上げてしまったのか……。今度こそマジで膝から崩れ落ちた。すっかり出来上がったカップルが寝る前に布団の上ですることといえばあれしかない。泣きそうになりながら帰途につく俺。もう完全に盛りあがっちゃってるカップル。世界ってこんなに青いんだなあって、あと5月に入っても朝方はまだこんなに寒いんだなあって、世界って驚きで満ちているんだなあって、そう思いながら、俺はまた都営大江戸線に揺られていたのである。

のたうち回る赤ちゃん人間

 無職になってもう4年目を迎えて、プロ野球の世界では3年結果を出して本物という評価があるようで、そういうわけで破滅への道もとうに半ばを過ぎた今、思うことは唯一つ。「無職への当たり、強くね……?」これのみである。

 まあ働いて俺を養っている家族は百歩譲って俺のことを罵倒する権利があると思う。この前も深夜に風呂入ろうと思ってたら急に母親が起きてきて「あんたさあ、夜中にお風呂入るのやめてくれない? もったいないんだけど」。同じ屋根の下で暮らしてるのに勿体無いって何? それもう俺のこと家族として見てないってことなんじゃないの? なあ? 俺はあんたが腹を痛めて生んだ一人息子だぞ! 呆然としちゃって思わず38型テレビの画面を覗き見たらそこには家族から家族とさえ見られてない一人の無職の姿があったんで仰天しちゃったよ。

 あとしきりにテレビを見ながら就職を勧めようとしてきたり追い出すことをチラつかせたりしている。ここ追い出されたら俺生きていく場所ないんだけど、死ねってことかな。まあ21歳で資格も職歴もない高卒の無職なんて養いたくないだろうしな……。先述の通り俺のことを家族として見ているかどうかかなり怪しいラインであることを考えるとな。

 ここを追い出されたらこれからどうやって暮らしていけばいいのよ、と思っていると高校の時の友人たちがシェアハウスの話をしている。もちろんジョークの範囲内だと思うけど。で、話に加わろうとすると「アハ太郎はクズだからなあ……」

 おい!!!!!!!!!!!!! ちょっと待てよ!!!!!!!!!!!!!! なんで俺が働いてないだけでクズなことになってんだよ!!!!!!!!!!! 無職は全員クズなのかよ!!!!!!!!!!!!!! ……こいつら平気で「そうだよ?」とか言ってきそうで、そうすると6年近い友情に亀裂入りそうだからやめといた……。ワシャ弱い人間じゃ。弱いから無職やってるし心療内科にも通ってて抗不安薬向精神薬が手放せないんだよ。悪いか? 舐めんなよ。

 曰く「家賃とか払わなさそう」「金遣いが荒い」「ギャンブルとかにハマりそう」とか言われる。俺は本くらいにしか金を遣わないし、後の2つは偏見じゃん。無職なのがそんなに悪いことなのかよ! 無職ってだけでクズ扱いかよ! 明るくなった空に向かって叫びながら(のどが痛いので実際はごく少量の発声で済ました)、抗不安薬龍角散みたいな感じでガリッと噛み潰した。

 このままじゃアカン。友人たちから受けている俺がクズであるという認定をどうにかして覆さないと。だけど無職がなんでクズなのか理解出来てないし、「何もやってないからクズなんだよ」っと優しく諭されてもマジで「何もやってない」ことがクズに直結するのか理解出来なくて、俺のことを無根拠にクズ扱いする社会が怖くて、俺は本当は心優しい人間なのに社会から抹殺されそうになっていて、そういえばマンションで会う子連れの反応が明らかに俺への敵意と怯えを露わにしたものであったことを思い出して、また恐怖で震え始めて、これは武者震いとは錯覚しようがなくて、もうこんな調子で3年以上も社会から取り残されている。

 わずかな勇気と親からもらった金を振り絞って基本情報技術者試験の参考書を購入し、それらの本を拝める位置に置いて、毎日二礼二拍手一礼してる。本棚の前にちょこんと座った長門有希ねんどろいどは今日も静かに佇んでいる。

春はあげぽよ

 もうすっかり暖かくなり春ですね、という書き出しからスタートしようと思っていたのに、昨日今日とかなり寒い。気温は俺のブログの書き出し事情など一切無視してやたらと暑くなったかと思えばテレビが変色しそうなほど寒くなったりする。

 しかし暦の上ではもうマーチが左へカーブを切るとエイプリルで、もうマジで春なのだ。桜もすっかり咲いているようで上野公園に田舎者共が集まって酒を飲み始める。上野公園で酒飲むな。帰れ。地元の花を愛でなさい。

 賢い都民はこの時期上野には一切近寄らない。地元が上野に隣接している俺なんかはもう外が怖くなって、人が怖くなって、あの桜の花びらが全部散り終わる頃には私の命も終わるんだわ……と言って引きこもっている。ところで桜の花びらが落ちる速度って絶対秒速5センチメートルを超えていると思うんだけど、有識者の間で議論になったことはないんですか?

 春眠暁を覚えずと言うがそもそも朝方に眠る俺には一切関係ない話だし、自室のカーテンは締め切っているので春はあけぼのなんかも関係ない。古典の倒し方、俺知ってますよ。

 朝方睡眠薬を飲んでもなんか眠れないな……という時にツイッターを見て、朝方なのでタイムラインが大して更新もされていないので仕方なくリアル友人/知人専用アカウントのタイムラインを見ると、そこには就活の話題しかない。今年、マジで桜よりも就活関連のツイートのほうが多く見た。お前らそんな働きたいのか。狂人かよ。

 未来への希望に溢れた大学生たちのツイートを見ると自分の人生の周回遅れが立ち現れて死にたくなってくるよな。ところでもうここまでこのブログの記事を読んだあなたがたならお分かりのように、話題が支離滅裂なのは書くことが一切ないからで、じゃあなんで書くことがないからというとかなり空虚な毎日を過ごしていたからである。

 毎日毎日同じような生活を続けていると流石に飽きる。ミニマル・ミュージックでもここまで繰り返さないよ。なんか、ここ最近のブログの締め方はだいたい「そろそろ頑張ろうぜ!」みたいなノリだが、あまりにも意志薄弱なせいで俺は一切頑張ったことがない。この意志の弱さでビジネス出来ないですか? とはあちゅうにセルフマーケティングしたいくらいだよ。

 母親が食器を洗いながら「なんでこの家庭は男が働かないで女が一生懸命働くの?」と明らかに俺に向かって愚痴を言っていた。いや~心の病気で……トホホ。感を演出するのも疲れてきているので、新しいアイディア募集中。とにかく俺は働きたくないし、働けるとも思ってないし、スキルや資格が一切ないのである。これ、無敵の人じゃね?

 慌ててMUTEKIで抜こうと思ったが、あのレーベル案外抜けないんですよね。抜けてるのは俺の頭のネジの方だったよ。悲しい現実にオヨヨと泣きながら、地元の桜並木を一人でぼーっと眺めていた。

 春は新生活の季節と言うが、新しい何かが始まるということは今までの何かが終わるということでもある。みんな人生に折り合いをつけて生きているんだろうか。もしかして誰も希望を持って就活しているわけじゃないのか? 怖くなって慌てて家に駆け込んでパワプロを起動した。ここの中の時間に、終わりはないから。

 

ダンス、革命前夜

 最近、ダンスダンスレボリューションというゲームにハマっている。高校にいたころからちょくちょくやっていたし、浪人生の夏、かなりハマっていたゲームだ。そんなんだから大学受験に失敗するし、よく考えたら現役生の時に受けたセンター試験の帰りでもプレイしていた記憶がある。

 見て分かる通りこのゲームをプレイするにはかなりの勇気が必要で、特に俺みたいなデブキモオタクがプレイするハードルは東京都庁よりも高い。しかも上手いプレイヤーなんかがいたら最悪だ。そういう時は諦めて帰るかありったけの向精神薬を飲んでからプレイしなくてはならない。

 で、帰るのもなんだし向精神薬は朝から飲んでいる俺はあべのハルカスから飛び降りる気持ちでプレイするわけだけど、プレイしている最中あまり他人の目は気にならない。……というのは嘘で、メッチャ気になるが、少なくとも俺に向けられる冷徹な視線を気にするよりもパネルを黙々と踏んでいくほうが楽しい。

 三年前はあんだけハマってたのになぜ一時期このゲームから離れていたのかというと、やっている最中にどんどんプレイの難度が上がってきてしまって俺の体がついていけなくなったからだ。「これ以上ダンスダンスレボリューションを上手くプレイするには体を鍛えるしかない……」と悟ったはいいものの、本来不健康だからこそゲームセンターにきて散財しているのに、なんで体を鍛えて健康になってまでプレイする必要があるのか。これって矛盾じゃないのか? このゲームのクリエイターは逆転裁判をプレイしていないのか? と思って調べてみたら、初出はダンスダンスレボリューションのほうが先だった。KONAMI、ごめんな。

 で、まあ純粋なキモデブオタクである俺は、キモデブオタクであるがゆえに不健康なわけであって、そしてその不摂生生活は現在進行形であった。水は低きに流れるし、デブは楽な方に流される。高校を卒業してほとんど引きこもりに近くなった俺の体は宇宙創造のときのインフレーション的膨張を想起させるほどになっていて、「近い内になんとかしないとな」とは思うものの、問題解決の時に浮かぶ「近い内」というのは永遠に訪れないと広辞苑にも規定されてあるし、俺もその例に漏れず「あ~あ~明日になったら体重が70kgになってて、10代の頃の広末涼子が彼女になってないかな~」と妄想しながら寝ている。そんな俺を見下ろすポスターの中の惣流・アスカ・ラングレーは、「あんたバカァ?」すら言えないほど呆れているようで黙ったままだ。

 そんな、飲み会があるたびにソフトドリンクでコーラを頼み続け、同席者に「アメリカのガキかよ」と言われるほど不健康なデブがどういう風の吹き回しでもう一度ダンスダンスレボリューションをやるようになったのかといえば、親しい友人から「低難度のダンスダンスレボリューションはダイエットに効果的」と教えられたからだ。

 このままだと最終的には自爆寸前のセルみたいになると思った俺はその情報を鵜呑みにして、ついでに向精神薬も飲んでから至急秋葉原のゲームセンターに向かった。しかし前述したようにダンスダンスレボリューションはプレイをする時にはほとんど蛮勇とも言えるような精神状態が必要なので、流石に俺もプレイする前は足踏みした。だが、よく考えてみると俺は無職じゃん。無職のアドバンテージは平日の昼間に自由に行動できること。というわけで俺は平日の昼間、秋葉原のゲームセンターに君臨していたのであった。東京23区東部の王がここに爆誕した。歌舞伎町の女王も跪くしかあるまい。

 しかし、一時間ほどプレイしていると来るわ来るわ、俺より上手く踊れるやつ。汗の塊になって休憩している俺を嘲笑うかのように。あんまりにもタイミングが良すぎるせいで「どこかから俺の滑稽な姿を観察し、程よく俺の精神にダメージを与えられるタイミングで登場したのではないか?」と疑いを持ってしまった。薬を飲んでいるせいでパラノイアの元気がいつもより良い。しかし、俺の疑問が妄想かどうかはメガネの彼しか知らないのだ。メガネの彼、このブログを読んでいたら俺に本当のことを教えてください。

 まあその人のプレイングがあまりにも上手すぎるせいでダンスとは呼べなくなっていたような気がするし。ダンスダンスレボリューションは究極的にはパネルを踏めばいいだけなので、そのための動きはただ純粋に「踏む」という目的に向かって余計なものを削ぎ落としていくのが効率的だ。けどその結果生み出された彼のフォームはとにかく変というか、こういう動きをするメカ、攻殻機動隊にいたよね? 途中から気にしなくなって俺も楽しくプレイした。

 そういうわけで久しぶりのプレイ自体は本当に楽しいものだったし、消費カロリー量は結構大きかったようだ。一時間近く走るよりもこうやって楽しく運動したほうがはるかに精神的に良い。やっぱ持つべきものは友と平日の昼間からゲームセンターに行くことを許してくれる両親という感じがする。おかげで狂っていた生活リズムが調整されて今朝なんか朝の5時に目覚めてしまった。ワシャ百姓か。

 ただダンスダンスレボリューション健康法には2つほど重大な問題がある。一つは俺の体重があまりにもありすぎるせいなのか、必ずプレイが終わると腰に激痛が生じること。もうひとつは、古来から続くカルマ調整的なメカニズムによって、健康を与えられた体が同等の不健康を求めるのか、ゲームセンターの帰りに必ず喫煙所に寄ってコーラを飲みながら一服してしまうことだ。

 この問題を乗り越えた時、改めて俺の健康革命は為されるだろう。とりあえず、踊らないと革命は進まないらしい。

 

ダメ男のバレンタイン

 この国に基本的人権という概念が存在しないのは、都心を走る緑色の人権侵害環状線を見れば明らかだったが、それは就労している人間に対しての仕打ちであり、俺みたいなハナから人権があり人生に実りある生活をかなぐり捨てている無職には無縁のことだと思っていた。

 もちろんこの俺の見立てはバレンタインに送られるチョコのように甘く、朝、カーテン越しの室内に入ってくるのは最低限俺が生きていくに値すると実感できるような暖かな日差しではなく、この社会のスタンスを端的に示す冷気であり、まさか俺のような人間の生活からも仮借なく人権という概念を根こそぎ奪っていく存在があるとは思いもしていなかった。

 見ろよこの部屋、人権を刈り取る形をしているだろ? 俺の身長が伸びた影響か、最近掛け布団から足が突き出る。俺の社会的信用はそれに反比例するかのように落ち込んでいく。

 前回書いたブログ記事を読み返すと、そのあまりの暗さにマジでビビっちまって「お前、大丈夫か? ちゃんと薬、飲んでるか?」と聴きたくなったが、書いた本人は俺だった。どうも冬は向精神薬のパワーを突き破るほどのナーバスを人々に与えるらしく、ただでさえ社会的ステータスが一切なく年中ふらついた生活を送る俺はそのナーバスで毎回致命的な内省を行っているらしい。まあ内省もひとときの夢で、一日寝ればたいてい忘れてるし、忘れてるからこそ未だにこういう生活を送っているのかもしれないが。

 冬の中でもひときわナーバスな気持ちにさせるのがバレンタインデーであるということは国連で正式に決定されている。本命どころか義理チョコすらまともにもらったことがない俺はバレンタインデーと聞くたびに身構えてしまう。何に身構えるのか? 家庭内での俺に対するイジりである。

 俺の女っ気の無さは親戚の中では周知の事実であり、両親すら積極的に「お前はホモなのではないか?」とポリティカル・コレクトネスの境界線を軽々と飛び越えるイジりを披露するわけで、積年の精神的苦痛は俺を半引きこもりの無職という生活に引きずり込むには充分だ。

 また、家庭でも学校でも(自分にも学校に通っていた過去があった。もうはるか遠いことのようだが……)「チョコを貰えないキャラ」という烙印を押されるとキツい。自分はあんまりチョコを貰おうが貰えなかろうが構わないタイプなのに、そういうことを明言すると「童貞が強がっている」という扱いを受けてしまう。何たる不公平! 例えばこれ顔のいい男が全く同じ発言をしたとしてもクールな男として分類されるのだ。顔の良し悪しで立ち振舞が規定されていいのだろうか。今日から俺は日本共産党に入党します。

 昔からこういう「女」の話題はあまり得意な方ではなかった……。もちろん他人がそういう話を繰り広げることは大好きで俺も積極的にイジっていく方だが、俺にその矛先が向かうのは嫌だ、という最悪な保身の意味で。母親なんか「あんた、いい年なのに彼女の一人もいないの?」とか言ってくる。実家暮らしの無職デブ(高卒)の一体どこに彼女の出来る要素があるのか。

 ルサンチマンじみてきた。周りにはなぜか恋愛脳が多いが、特に自分は恋愛脳というタイプではない。ネットでよく見る非モテの怨嗟みたいなものが自分には一切共感できない。いや、俺の人生恋愛の一つや二つがあったところでいい方向に向かう訳がない、という自分のクズみたいな人生に誇りを持っている。逆に言うとお前ら、恋愛ごときで救われるようなダメ人間生活なのか? 許せん! そんなやつはダメ人間じゃない! 出て行け!

 ところでダメ男に惹かれる女性は多いという。だめんず・うぉ~か~ってあったもんな。当方は当代きってのダメ男。ダメ男ぶりにおいては少なく見積もっても東京23区東部では誰にも引けを取らない自信がある。うぉ~か~の皆さん、俺と一緒にウォーキングしませんか。いや、決して恋愛的な側面でのウォーキングではなく、金銭的な援助をいただきたいのだ。われこそはといううぉ~か~の皆様はぜひ田中アハ太郎まで連絡をください。

 ……ところで、親父は俺の父親なことだけはあるほどのダメ男で、この人昼間から酒を飲み昔はよく家庭内で暴力を奮った。中上健次もかぐやである。俺が精神を病んでからはそういう側面は鳴りを潜めたが、相変わらず定期的に会社を休んだり辞めたりして突如としてヒモになったりする。ヒモ(父)とヒモ(子)の奇跡的な共演だ。これが超ひも理論ってやつか? 母親は本物のだめんず・うぉ~か~なことは明らかで、つまりその子供である俺が本物のダメ男であることは自明なのだ。お日様が東から昇り西に落ちるくらいには自然の摂理としてそうなった。最初の一突きは遠いご先祖様かもしれないが、そこからずっといつまでもポケットに落ちないビリヤードボールのようにぐるぐると転がっているわけだ。

 でもそろそろ、走り出すタイミングかもしれないぜ。

21歳になりました。

 2019年になった。今年の冬は暖冬ですよ~と言っていた気象予報士のことは二度と信用しないこととした。俺の自律神経を弄ぶのがそんなに楽しいか? テレビの中でにこやかに嘘をつく女性気象予報士に向かって愚痴を垂れる。テレビが変色しそうなほど寒いが、醜い俺は醜いままだ。

 異常な寒さなので「夏」のイメージがあるサザンオールスターズを延々と流しているが、圧倒的な「陽」の雰囲気の前に立ち尽くしています。サザンに殺される。桑田佳祐のあのどんなに場が盛り上がってても一切笑ってない眼に殺される。前門のサザン、後門の井上陽水かよ。あ、あと原由子ってかわいい声してるよね。

 ところで、1月3日は俺の誕生日だった。ほしいものリストから送ってくれた皆様、ありがとうございました。親からの誕生日プレゼントを期待していたのに、くれたのはハイライト一箱。ひどすぎる。俺は一人息子なのに。血の繋がった唯一の家族なのに。親がどんどん冷たくなっているような気がする。というか社会がずいぶん冷たい。

 まあ冷たく感じるのはこの季節のせいという感じもする。なんと今日からセンター試験らしい。受験シーズン到来というわけだが年中シーズンインザ無職の俺としては勘弁してほしいね。テレビのCMとかで流れるでしょ、受験生頑張れ的なCM。あれって何の意味があるんだよ。頑張ってる受験生、この時期テレビ見てないだろ。俺の心だけがガリガリと削られていく。あと居間で食事しているときにあの手のCMが流れると茶の間がお通夜みたいな雰囲気になるのでやめてほしい。

 大学受験で羽生結弦並の滑りっぷりを見せてそのまま無職になった俺の存在をこの社会が許容してない、という感じがする。まあお先真っ暗の発達障害デブの存在を社会が許容するはずもないし、そもそも俺が俺自身をあんまり許容出来てない。こんなはずじゃなかったのに……。でも、そう思っているのは俺だけみたいで、両親が最近そんなに俺に対して期待していない、ということが伝わってきて辛くなってきた。両親にすら見捨てられたら、一体どこでどうやって自尊心を補完すればいいんだ?

 思えば誰かの期待を裏切ってばかりの人生だった気がする。何も果たせてない人生な気がする。いや、実際何も果たしてないから高卒で無職なんだけど。自分自身の期待にも裏切っている。

 というわけで、年を越してから基本的にブルーな毎日を送っています。ブルークリスマスならぬブルーお正月。友人と遊んでいるときはそれなりに人生の煩わしさから解放されていたりもしたのだが、その友人たちは今年から就活らしく、会話の中にも就活関連の単語が交じるようになってきた。そしてそのたびに、「無職のお前はどうするの?」と、問いかけられている気がする(というか実際に問いかけられるときもある)。

 どうもしねえよ、と答えるほかなく、だって実際にどうもしない、というかどうしようもないのだから仕方ない。彼らの時間は進んでいるが、俺の時間は三年前から止まったままだ。これから動き出すのかどうかも分からない。どうせ動き出しても逆ウラシマ効果みたいになるのが見え見えなので、動かす勇気もない。

 そうして、自分の人生について「どうしようもねえな~」と絶望のぬるま湯にどっぷりと浸かっている。無駄に流れていくこの時間の使い方が一番どうしようもないことには気がついているが、肝心の体が動かない。ぬるま湯から立ち上がろうとしない。

 それにしても、冬は寒い。

 

自作天皇コラ展覧会 vol2

概要

 前回の天皇コラ展覧会+α

自作昭和天皇コラ画像展覧会(おまけもあるよ!) - 腸捻転

から1年以上が経過し、2018年も終わるので、今年自分が製作したコラ作品を簡単なコメントをつけて紹介していこうと思います。

作品 

 

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クリスマスツリーの飾りを天皇の顔画像へコラージュしたもの。原爆のキノコ雲の陰影と重なって個人的には気に入っているが地味。

 

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皇室の顔とノンタンをコラした。笑い男事件みたいですね。労力の割にはいいねがついて良かった。

 

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ラーメン三銃士昭和天皇をコラージュして、吹き出し玉音放送に変えれば面白いのでは!? という発想によって産まれた作品だが、今思えばなぜラーメン三銃士昭和天皇を結びつけようとしたのかが全くの謎。ここまでは2017年の作品。

 

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今年のセンター試験ムーミンに関する問題が出題されて大きな話題を呼んだ。これはそれに触発されて作った、皇居の森にて偶然ムーミンを発見する昭和天皇ムーミンの世界は核戦争後による世界という都市伝説があるが、それを考慮に入れると割と意味深な邂逅を捉えた一枚となった。

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妄想代理人のオープニング映像と昭和天皇がコラされた。作ってる最中は面白くてもいざ作り終えるとそうでもない、というのはどの世界にも往々にしてある。個人的にはキノコ雲に隠れる昭和天皇がお気に入り。

 

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どのタイプの女の子がお気に入り? という画像と昭和天皇の顔をコラした。割と作るのに苦労したが一番ウケたのは右下にある加工禁止の4文字。フォロワーに指摘されて気づきました。

 

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耳をすませば(?)の1シーンを切り抜いたものが流行っていたので、自分でも作ってみた。「東條、その戦争というのはどうしても止められないのか?」東條の首の角度、昭和天皇の上手い具合の顔のはめ込み具合、良宮の具合のいい切り抜き(そこそこ若くてブサイクではない良宮を探すのに苦労した)、全てが上手く行って、そこそこバズった。個人的にもお気に入り。

 

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ダンスロボットダンスが流行っていたので作った。ダンスヒロヒトダンス。僕はIT音痴なので上手い具合にフォントを使う方法が分からず、結果回りくどい方法で切り抜いた。不自然。労力の割に一切バズらず。どうしてこんなの作ったんだろう?

 

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エンタの神様での陣内智則の「この男〜!」という紹介を改変したものがtwitterで流行っていたので作ってみた。帝國のニューウェーブってなんだ?

 

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アウトレイジのポスターの完成度の高さにはいつも溜息が出るが、これほどコラ素材に向いた映画ポスターもなかなか無いだろう。過去何度かこれを素材にコラ画像を作っていたけど、「そういえば天皇を題材にしたことはないな」と思いついて作った。思いの外バズった他、製作中に気付いたのだが、大正天皇昭和天皇の顔が思ったよりも似ている。余談だが、これはフォロワーの家に泊まっているときに製作した。そのフォロワーは今音信不通です。元気にしてるらしいが。

 

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皇族、特に昭和天皇コラ画像を作り続ける人間にとって毎年の昭和の日ほど迎えたくない日もない。何か作らなければいけないがアイデアはなく、中途半端なものを出したら期待はずれという自分勝手に設定されたプレッシャーを跳ね返せる自信がないからだ。けれどこの作品はそれなりに上手く行ったんじゃないかと思えて個人的にはかなり気に入っている。鷹になった金日成の胡散臭さがいい。これは別のフォロワーのシェアハウスで作った。何やってんだ、俺。

 

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毎回毎回似たような感じで天皇の顔を切り抜くのも飽きたので作った。ちょうどこのころ麻原彰晃の死刑が執行されたはずで、画面の端で尊師が何かを唱えている。目と口も今上のものを使った。サイケデリック路線。フォロワーから中期ビートルズかよって言われたけど、余りにもジョン・レノンに申し訳ない。

 

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昭和天皇でコラを作っている人間にとって迎えたくないもう一つの日は終戦記念日である。今年の終戦記念日は本当に何も考えていなかったのに気付いたらコラを作っていた。これは日の出と共に現れる昭和天皇に畏敬の念を抱き土下座する臣民たちの姿です。

 

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その昔トリックというドラマがあって俺の人格形成にそれなりに寄与した気もする。トリックの主題歌は月光。「I am God's child この腐敗した世界に堕とされた」が歌い出し。その主題歌が流れているED映像と昭和天皇、キノコ雲をコラした。幼い頃の俺も将来TRICKがこんな形で再利用されるとは思うまい。

 

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ゾンビランドサガ、面白かったよね。俺は後半になるにつれて泣いていました。ゾンビランドサガのOPは主人公源さくらの「死んでも夢を叶えたい! いいえ、死んでも夢は叶えられる!」という口上から始まるが、ゾンビと化した昭和天皇がこんなことを言ったらグロテスクどころの騒ぎではないし、神のことを冒涜しまくりだろう。昭和天皇が復活しないで本当に良かった。

 

総評

 昭和天皇コラ画像を作ってみようと思って随分長い時間が経った。多少なりとも作り続けて思うのは、昭和天皇コラは割に合わない、ということだ。

 まず殆どバズらない。100RTどころか50RTも殆どお目にかかれない。その割には労力が異常にかかる。毎回毎回昭和天皇の顔を切り抜いていると頭がおかしくなって来そうだし、実際頭がおかしくなければこうも昭和天皇に執着もしないだろう。

 来年もまた昭和天皇コラ画像を作っていると思うとげんなりしてくる。俺はもう昭和天皇の顔を切り抜きたくない。誰か俺を昭和天皇から解放してくれ。俺はもう一生分の天皇の顔を見た気がする。軽く常人の100倍は昭和天皇の顔を見ているし切り取っているだろう。

 夢の中でも昭和天皇が出てくる。人これを悪夢という。せめて正月だけは富士山の夢を見たいものだ。